子宝相談のなかで重要な母体作りについてポイントをご紹介します。
ホルモンバランスが重要なのはどなたもご承知の事と思います。
基礎体温で低温期の卵胞ホルモンと、高温期の黄体ホルモンの状態を読み取る目安とする事ができます。
月経期や低温期に主体となる「卵胞ホルモン」、高温期にだけ排卵した後の卵の殻に相当する黄体が成長して分泌する「黄体ホルモン」は、どちらも脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモンFSH 黄体刺激ホルモンLH)により分泌が調節されております。
性腺刺激ホルモンも大脳視床下部から性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)により分泌が調節されております。
脳(視床下部)が女性ホルモンの分泌と深くかかわる事から、脳に影響を及ぼす様々な因子はないのか相談の中から探るように心がけております。
女性ホルモンはコレステロールから産生されるステロイドホルモンであるという事が、ストレスの影響で産生量に多大な影響を受ける事が分かります。
最終的に産生される卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)は、ステロイドホルモンの一種であり、それぞれがコレステロールから幾重もの合成過程を経て産生されるまでに、その中間に産生される副腎皮質ホルモンという抗ストレスホルモンが存在します。
産生される順序は
①コレステロール
②副腎皮質ホルモン(コルチゾール)
③性ホルモン(男性ホルモン・女性ホルモン)
となります。
②副腎皮質ホルモンは「抗ストレスホルモン」なので、精神的であり肉体的であり過度のストレスを受けるとこのホルモンを沢山産生し、ストレスから身を守っているのです。
そのような状況下では、産生過程の下流に相当する③性ホルモンの産生量が不足する可能性が高くなるのです。
ホルモンバランスとストレスの関係はとても大きいので、その旨をよく理解しておくことが大切です。
漢方的な診立てをする際にも、ストレスが肉体にどれぐらい影響されるのか個々の体質や性格をじっくりと相談の中でお尋ねしています。
実際には、基礎体温表をみながら人それぞれの状態を事細かに把握する事も以前は注意しておりましたが、あまり体温の上げ下げに一喜一憂していても女性の精神衛生上よくないので、大まかな傾向をつかむ事を大切にしています。
二層性に低温期と高温期が分かれており、それなりに体温の上げ下げが出来ていればまず良しです。
月経周期も1週間以上前後する事がなければ、これもまたあまりおおげさには考えないようにしています。
タイミング療法の場合に、月経周期の前後のふり幅が数日でも気にされる方もいますので、押さえ的(予備的)にタイミングをとるようにするなどの臨機応変に対応するようにご指導しております。
LH(黄体刺激ホルモン)を測定する検査薬でタイミングを測定するのも良いかと存じます。
石川智基先生の「男性不妊」を読みましたが、ため込みすぎるのも良くない事が書いてありますので、却って機会が増える事も良いのかもしれません。
ここからは想像の域を脱する事はできませんが、性交によって感覚的に脳を刺激する事が、最も良いホルモンバランスを生み出す「脳」になるのかもしれません。
そこで人工授精や体外受精のときにも、「脳」を繁殖モードにするようなコミュニケーションが必要なのかもしれません。
ごう先生のブログ「GOブログ 不妊症特集」もぜひご覧下さい。
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母体作りのポイント④ 「ホルモンバランス」
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