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がん患者さまのご家族

「がん」を患った患者様のいるご家族からのご相談が増えている。
どう接したらよいのか、何かしてあげられることは、心構えは、・・・など、がんを患っている当人の事だけでなく、その周りの方々の心のケアについて何がいったいご提案できるのだろうか。
高齢化社会となってくると、父母が「がん」を患うのではなく、息子や娘、その夫その嫁が「がん」となり、なかなか会えなくなり寂しい、などという方々まで、それぞれのご家庭における患者様とそのご家族のあり方は千差万別である。
ケースバイケースで違う状況なので、答えなど一つではない。
漢方薬局というのはとても不思議なところだなぁ、と感じるのは子宝を希望される方から、妊娠中の母体、産後間もないお子さん、乳幼児、少年、青年、成人、中高年者、ご老人、心身症に至るまで、様々な年齢層の方々と接する機会に恵まれる。
生まれて間もない成長する時の特有なエネルギーに満ち溢れているお子さん達から、こんな表現をしてはいけないが精気の少ないようなご高齢の方々まで、様々な方々と接することができるのです。
生きることへの執着や、死する事への恐怖、心配、不安、というのは言葉で簡単に説明がつくものではないし、言葉を重ねて説明をしたところで、説き伏せられるようなことでは決してない。
どう考えるかはその方々の考え方次第なのだ。
もうすぐ祖母の一周忌だ。
昨年の今頃は、祖母の入院先へ行き来したことを思い出す。
夜中に急に病院へ呼び出され、夜の高速を小田原まで飛ばした記憶が昨日のようによみがえる。
祖母の最後を病室で見届け、明け方に病院から帰宅する際の小田原の朝日を思い出す。
そうだ、そういう事があったのだ。とってもキレイな朝日で祖母を送り届けてくれているのだと感じたのを昨日のように思い出す。不思議と思いがあふれ出す。今はそういう時期なのかもしれない。
ああ、死とは誰にも例外なく必ず訪れる事なのだ。
今となってそういえることも当時にそうは思えないのかもしれないけれど、「死」を悪いものとするのはどうなのだろうか。医療のための医療になってしまう可能性が大いにある。
延命が全てではない。
良い終末を迎えることにこそ注力しなくてはいけないのではないだろうか。
昨日いきつけの美容院で、いつもカットしもらっているマトちゃん(美容師さん)が「がん患者さんのドキュメンタリーTV」を見て、余命3ヶ月と宣告された末期がんの患者さんが、体に負担の多い終末治療を捨て、家族との時間を有意義に過ごすために、仕事を止め、好きなことをしながら家族と接することを選び、治療で体に負担をかけない事を考えた最低限の治療だけを行ったところ、なんと6年も延命されているというのだ。人の命ってすごいんだね〜って言っているマトちゃんがすごいと私は思ったのだが・・・。
その方は最近再発が見つかったそうだが、家族との時間を大切にすることを再び選ばれたそうである。
このようにTVに発表されるような、すばらしい著効例のように全てがうまくいくとは限らないが、果たして最新の医療の方が治癒率が優れているのだろうか?
人の体はそんなに単純明快ではない。
ふと思うことがある。
「がん細胞」はもともと自分自身の細胞である。
それを異物として、悪いものとして見すぎているのかもしれない。
自分自身が体に無理をさせてきたツケなのかもしれない。
体の中に溜まった毒の表れなのかもしれない。
がん細胞と一緒に墓場まで、ではないが、共存共生の関係を作りあげていくことの方が先決ではないだろうか。
そして、ご家族も「がん」を患っているからといって、それを特別に考えることなく、イボやタコが体の中にあるというぐらいに考えて接していったほうがよいのかもしれない。
治療する側も過剰に反応しすぎないことが必要なのかもしれない。
もし私が「がん」を宣告されたら、好きな音楽を聴きながら、楽しい仲間と過ごしながら、南の島で波に揺られなが過ごしたいな。家族とも死とも、気兼ねなく付き合っていきたいと思う。
実際にはそのようには割り切れるとは思えないが、できるだけ苦しみたくはない。
ご家族の立場で心を痛めている方々は、かなり体力を消耗している。
病院へ何度も足を運ぶことも、実際はとても体力を消耗する。
消耗し、やがて精神的にもすっかり弱ってしまう。
病人の前では元気にしなくては!と無意識でしているが故に、実際は心も体も消耗しているご家族はとても多い。
まず人のことより自分がしっかりしなくっちゃ。人の心配ができるのはそれからです!

category:
がん
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