皮膚細胞にも正常分化が必要
がん細胞は正常分化ができなくなった細胞である。
皮膚病とは何の関係もないように思われるかもしれませんが、
実は深くかかわりがございます。
正常分化とは本来の機能を有する細胞にまで成長できなかったものです。
白血病を例にとると、
骨髄幹細胞から骨髄中で5~6段階の成長を経て
初めて白血球としての機能を有し、
骨髄外へと出て生体防御や体内の浄化の機能を持つわけですが、
成長が十分でないままに骨髄外へ出てしまうと、
体内の白血球の多くが、
白血球としての機能を持たない白血球ばかりとなってしまいます。
血液検査をした際に
白血球数は異常に多いわけですが、
どれも使い物にはならない状態、
それこそが「白血病」という血液ガンなのです。
本来の姿にまで成長できない事を、
正常分化ができない「未分化」といいます。
慢性的な皮膚病の多くは、
皮膚の細胞が「未分化」状態だといえます。
アトピーしかり、乾癬しかりです。
治療の目標は「正常分化」なのです。