食べる量と便通
たくさん食べればその分押し出してくれるから便がどんどん出そうな感じがします。
確かによっぽど少食でかつ便秘でお悩みならば、押し出し効果もあるかもしれません。
しかし便秘でお悩みの多くの人々からご相談を受けた際に、全ての人に食生活の内容や量をおたずねしていますが、食事量が少ないという人よりも、比較的食べている量が多いという人の方が、よりひどい便秘でお悩みである傾向がある事がわかりました。
たくさん食べて詰まっている人が多いのです。
不思議ですね。
冷静に考えれば当たり前のことなのですが、食べ物には重さがあります。
重いものが内臓に入ってきたら、その重みで内臓が垂れ下がってしまう可能性があります。
すると下腹部の消化管も圧迫を受け、排泄物の蠕動が困難になるのです。
また私たちの消化管は直管ではなく、ブヨブヨした消化管壁を持ち、かつ蛇行や上行をしています。
構造的にも心太(トコロテン)のようには押し出せないのです。
結果として出にくくしています。
物理的なお話だけではありません。
たくさんの食べ物を消化するのにエネルギーをたくさん使ってしまうと、
腸の粘膜細胞の発育成長にエネルギーがまわらなくなってしまいます。
食べ物は消化されるとほとんど跡形も無くなります。
ドロドロの水様~泥状~粥状になるわけです。
そして吸収されます。
だからそもそも押し出すというイメージは適当ではありません。
腹八分にして消化吸収にかかわる胃腸への負担を減らしてあげましょう。
すると腸の粘膜細胞を新陳代謝する余裕がでてきます。
粘膜だけでなくお肌にも影響します。
便のガサを増やすのは食べ物の中の不消化なものが増えないといけないし、
粘膜細胞の新陳代謝が良くならなければ根本的な解決にはならないのです。