GOブログ

治療方針

お薬、漢方、健康のお悩み
お気軽にご相談ください。

046-261-1380

10:00〜19:00
定休日:日曜・祝祭日

メールでのお問い合わせは
こちら»

  • Twitter
  • Facebook

漢方たなうぇぶ>GOブログ>スポーツ選手の体調管理に漢方の知恵を

スポーツ選手の体調管理に漢方の知恵を

薬剤師という職業で仕事をはじめたころから運動領域に漢方や薬学が役立てることはないかと考えていた。ドーピングの検査などはもちろんだけど、それだけでなくもっとお体を良く保つためにだ。
薬剤師という立場からスポーツ医学にどこまで漢方薬や生薬が有効かをすこしずつ紹介してみようと思います。
人にはそれぞれ肉体にかなりの個人差があります。
メジャーリーグで活躍している外野手でもマリナーズのイチロー選手とヤンキースの松井選手とでは体つきがまったくちがう。
リードオフマンとスラッガーの差もあるが、すらっとして柔軟性あふれるイチロー選手とがっちりと頑健な松井選手とでは、肉体の成り立ちや能力にかなりの差があるのは、素人目からしても明らかです。
漢方的に肉体の機能を考えてみると脾(胃腸)の力が強い人のほうが肉付きがよくなるとか、関節の柔軟性や潤滑性(よく曲がり痛みにくい)にはいかに肝血が充実しているかが大切だとか、漢方の生体観をもっと運動領域で利用すると、体のよさをもっと引き出せ、ウィークポイントもかなりの範囲でカバーして、体の消耗も極力防ぐことができるのではないかと、考えるようになってきた。
これは無理をするから病気をするという理屈と同じなのではないかと思う。
そしてもっと経絡などの体のエネルギーの流れを良くしようと考えるなら、マッサージや鍼灸だけでなく、湯液(内服薬)などで体の内側からも充実していただきたいと考えている。
スポーツ界の頂点にいるような人たちでも、かなり肉体にはばらつきがありますが、それぞれの特異性を上手に生かしていけば、それがかなりの武器となるのではないかと私は考えています。
怪我の予防や回復力を高めること、持久力の向上、心肺能力の向上、など目的を考えたら生薬が役に立ちそうな分野は数限りなくあると思う。
ちなみに私の場合それがドーピング禁止薬物なのかまで徹底して調べアドバイスをしている。
かくいう私自身も運動する事が好きなのですが、体格にはあまり恵まれているとはいえません。それでも自分自身がもっている体の長所を生かせば運動能力もあがっていくと思いますし、長くやっていけると思います。
例えば趣味のサーフィンをする際、海に入る前にゴオウ(牛黄)製剤というものを服用している。
ゴオウといえば牛の胆石なのだけど、五臓六腑でいうところの「心」と「肝」のくすりであり、いわゆる「気付け薬」である。赤ちゃんの夜鳴きや疳の虫につかう宇津救命丸などの乳幼児・小児用薬にも使われているかなり安全性の高い生薬です。
私がなぜ海に入るまえにこのゴオウ製剤を服用するのかというと、心肺機能を少しでも高めておきたいからだ。海の中に一歩はいれば生死と隣あわせなわけです。波が高くなくても一見穏やかな海であっても、どのようなことが起きるかを完全には予測不可能です。自分自身の心肺機能が極度に落ちてしまうことが心配だから、転ばぬ先の杖でできる限りゴオウ製剤を服用してから海に入るようにしているのです。
特定の競技ではβ刺激薬と呼ばれる気管支拡張剤(喘息の発作を止めるお薬)を使うことが禁止されている。
私の場合はゴオウがあるので、β刺激薬のようなお薬に頼らずしても心配呼吸機能を安定させることができる。これはとっても大きなことなのではないかと思っている。
だからスポーツ選手たちに教えてあげたいと思うようになってきた。
生薬だからといっても安心はできません。ご存知のとおり生薬の中でもドーピング禁止成分が多く含まれているものがある。
麻黄(マオウ)やホミカという生薬に含まれるエフェドリンやストリキニーネなどの成分は、ドーピングにひっかかるので、風邪薬や関節痛の薬や胃腸薬などでも注意したい。
こういうことがあるので、きちんと知識のある薬剤師に薬の管理をしてもらうべきだと思う。
漢方薬や生薬の知識にも精通している薬剤師であるとさらによいのはお分かりいただけたと思う。
生薬をもっともっと運動領域で利用していくことができると、体のケアにはかなり有効なのではないだろうか。こういったところをもっと知っていただきどんどん利用していただきたいと思う。