東京都内在住の10代の女性がインターネットで購入した中国製とみられるダイエット健康食品「天天素」を服用後に死亡していたことが26日わかった。というニュースをご覧になりましたか？
この健康食品からは国内未承認の医薬成分「シブトラミン」や向精神薬「マジンドール」が検出されました。
私は憤り（いきどおり）を感じてならない。「何が漢方だ！ふざけるな。」
漢方薬のようにみせかけた国内未承認の化学薬品を配合した粗悪な中国製品が後を絶たない。
漢方の発祥地とは思えない惨状にガッカリしてしまう。
以前にも同様に中国製ダイエット茶や食品に食欲抑制剤や甲状腺機能亢進薬などが含まれ死亡する事件がありました。覚えている方も多いのではないでしょうか。
中国人一個人に対して何の恨みがあるわけでもないですし、漢方という医学のすばらしさは私自身が良く分かっているつもりです。だから残念で残念でしかたないのです。
シルクロードにより日本にも漢方が伝えられ、日本は日本で独自に漢方という医学の華が咲きました。
日本で独自に華開いた「漢方」は、明治維新まで征夷大将軍直属の医者も漢方医であったほどです。
現代医学には現代医学の、漢方には漢方のそれぞれのよさがございます。
それは紛れもない事実であり、どちらが悪いといっているのではありません。
人の体の診方（見立て方）が違うのです。
だから、漢方が悪いとは思っていただきたくないのです。
今回の事件も、以前にあった事件も、どちらも新薬を故意に配合した、日本の薬事法の監視下では絶対に起こりえないことを、日本国外のものが勝手にしたことであるとご理解いただきたいと思います。
今後、どのように真相か解明されるかわかりませんが、今回の事件は漢方では全くないという事を知っていただきと思います。
素人目に「天天素」が漢方薬なのかそうでないのかはたぶん分からないでしょう。
漢方なら安全！というイメージは根強く、また現在の漢方ブームも後押ししているためか、気軽に手をだしてしまう方々が後を絶たないのでしょう。
しかも、日本国内で漢方薬を買うと高いというイメージもあいまってか、少しでも安いものをと探しているうちにインターネットで、このようなものにだまされてしまうと私は推測しています。
だから消費者のみなさまにくれぐれもご注意いただきたいのです。
対応策は安心して信頼して相談ができるパートナーをもつことです。
いったい誰に相談したらよいのか分からないというのも消費者の側の現状かもしれませんよね。
皆様には身近に広い薬学知識、医学知識、食品知識を持ち合わせたプロフェッショナルはいますか？
私は薬剤師としてそうありたいと日夜情報収集を常に心がけています。
今では個人輸入により色々なものが海外から日本に入ってきています。
それが正規に日本の薬事法に則った製品かを素人目にも玄人目にもすぐに判断することはできないと思うので、安心して相談できるお薬や食品のプロと仲良しになっていただきたいと思います。
当然よくわからないところから、口にするものを購入することは避けていただきたいと思います。
自己責任というのは簡単なようでとっても難しいことです。
これだけ情報が錯綜している世の中であればあるほど、ものすごく大変なことです。
いかに自衛策をもっているかが、自分の身を守る鍵を握っています。
みなさんには安心して相談できるパートナーがいますか？
ちなみに国内未承認の薬品成分が入っているものなど、日本国内の正規の流通ルートで仕入れいることは絶対にできません。
つまり私共のような日本の正規の薬局（漢方薬局）では、このような危険性の高いものを取り扱うことはできません。仕入れ入ることができないのです。
薬局が扱っている漢方薬に危険性の高い成分が混入していることは絶対にありませんので、くれぐれも誤解しないでいただきたいと思います。
「天天素」という健康食品によるとみられる被害は今月２４日以降、この女性を含めて８都県で計１０人が確認されており、厚生労働省は、使用の中止を呼びかける一方、薬事法違反や麻薬及び向精神薬取締法違反の疑いで調査している。
厚労省などによると、女性は２３日朝自宅の布団の中で心肺停止状態で家族に発見された。死因は不整脈とみられ、家族によると３月ごろからこの健康食品を服用していたという。
厚労省が都道府県を通じて調べたところ、広島、岡山、富山、千葉、福島、群馬、愛知の７県で同じ健康食品を服用した１０〜４０歳代の女性計９人が下痢や腹痛を訴えていることが分かった。
「天天素」を飲んでいるかは今すぐ飲むことをやめてくださいね！
お体に異常があるときは速やかに病院にいってください。
それ以前に、人の体の仕組みを考えてみれば、簡単に痩せることができるような薬や漢方薬など存在するはずがありません。
つまり、痩せるためにはきちんとした食事と、きちんとした排泄が必要なのです。
つまりいかにカロリーを減らして、いかに必要な栄養素は補い、いかに大小便や生理などの排泄をしっかりできるかが、健康を害さずにダイエットを成功させる秘訣です。
痩せ薬などはなからないのです。
消費者の側も、簡単に低価格でダイエットができると誤解していただくありません。
本当に大切なことを伝えることは我々の義務です。それと何が大切なことなのかを理解する義務は皆さんの側にあります。
お互いがきちんと手と手を取り合って絆を持っていれば、おそらくこんなことにはならなかったのではないでしょうか。
簡単ですぐに安く痩せられる！なんて美味しいうたい文句にはくれぐれもご注意を。
インターネットで簡単に色々なものを購入することができる世の中だからこそ、細心のご注意を！