出産後にムリをしないようにというのは、古来より日本では伝統的に口訣伝承されてきました。
ところが、最近は核家族でサポートしてくれる手もないし、産科では早期退院・早期リハビリだし、従来の考え方とはちょっとちがってきました。
今日ご来店のボランティア通訳をされているお客様から、中国の方々は今でも先人が築き上げてきた叡智を大切にされていることをおうかがいし、少しだけ日本の危うさを感じました。
なので、産後は冷たい水をさわらないようにしたり、3週間程度はゆっくりと休むように過ごすなど、体のケアや生活の仕方をとても大切にされます。
漢方の良いところは、西洋医学のように膀胱や尿道、骨盤底筋など、一部の機能の改善だけを目的にはしていないので、あれもこれも良くなるという所が好きです。
いつもそんなにうまくいくわけではありませんが・・・。
今回は坐骨神経痛がよくなるにつれ、尿もれもよくなってきた60〜70代の女性のお話です。
このかた、3人の出産の後にすぐにムリをされてきたので、「いつか尿もれするよ」と当時の産婆さん(助産師さん)や産婦人科医に言われていたそうです。
この方から実際に尿もれの相談を受けたことはなかったのです。
私が相談をうけたのは「坐骨神経痛」でした。
漢方薬だけではなかなか良くなりませんでしたが、私が坐骨神経痛の方に必ずお伝えする運動治療やツボ刺激の方法をお伝えし、その方は素直に半年間、毎日しっかりと実行してくださったのです。
それだけでも感動ものです!
なかなか全てをしっかりと半年間も続けてくださる方なんて、そうはいませんから。
僕だって、どんなに良いよ!と言われてもなかなか半年間続けることは難しいものです。
すると、歩様がよくなり、近所でも「あんた毎日何してんのよ?教えて?」とその方があまりに元気に歩いているのをみて評判になっているというのです。
痛みはすっかり良くなり、食欲もでてきました。
とてもお元気になられたのです!
すると思わぬ副産物が!
なんと長年悩んでいた「尿もれ」がすっかり良くなったというのです。
漢方ってすげー!
人間ってすげー!
お客様は本当にお師匠さんです。