萎縮性胃炎(いしゅくせいいえん)という診断が増えています。
診断された人たちは「胃癌」の一歩手前で、「不治の病」というイメージを持って相談に来られます。
ピロリ菌が原因だとして「除菌(じょきん)」をするのが現代治療の主流です。それで良くなる人はよいのですが・・・。
当店にご相談にくる人たちは、今までピロリ菌除菌を行っても、薬を飲み続けても、一向に回復の兆しがみえない人たちです。
ピロリ菌の除菌には3種類の薬
1、PPI(プロトンポンプインヒビター)という強力に胃酸を抑える薬
2、アモキシシリン βラクタム系抗生物質
3、クラリスロマイシンかメトロニダゾール 抗菌剤
を同時に使用します。
写真の薬はこの3つをひとまとめにしたものです!
除菌率は90%以上を誇るそうです。
ピロリ菌の除菌の有無にかかわらず萎縮性などの慢性胃炎には、
1、PPI(プロトンポンプインヒビター)もしくはH2ブロッカーという胃酸を抑える薬
2、胃の動きをよくするセロトニン受容体刺激薬「モサプリド」
3、プロスタグランジンの産生を促進して胃の血流量をふやして粘膜細胞を増やす「レバミピド」
を長期に利用する事が多いです
胃炎のような修復を必要とする病変に、薬物だけで治療をするのは実際は困難なのです。
骨折をしたら、それを治す薬がはたしてあるでしょうか?
経験がありますが、固定をして回復を待つしかありません。
なぜ胃壁の修復となると、必要以上に薬物を用いるのでしょうか。
私は除菌をするという観点ではない方法で回復のお手伝いのご提案をしております。
胃酸を抑えたり、消化管を無理して動かしたり、血流をよくして胃粘膜の再生を試みたり、を薬の力だけでやろうとして、却って調子を崩されているのではないか、と気づいてから違うアプローチを始めたのです。
薬を使っているのになぜ却って調子を崩すのか?そのメカニズムを推測しました。
1、胃酸を抑え続ければ確実に消化力が落ちます。リスクは貧血を含む重篤な副作用です。
2、薬で胃腸の動きをよくしようとスイッチを押すのは良いです。しかし自力で動かすことすらへばっている胃腸の細胞を無理やり薬で動かした後には、さらにヘトヘトに疲れてしまうでしょう。
3、薬の働きで血流を良くしても、血液の質が何も変わらず、血液中の栄養素を運ぶ細胞の力も弱ったままでは、血流改善をしても本質的な改善にならないでしょう。
私は自然の生薬の効力の範囲で漢方を利用して、回復に必要な栄養を通常の食生活よりは多めに補い、回復を促進するためのライフスタイル改善を積極的にとりいれたご提案を行っております。
すると実に早く回復される方が増えているのです。
1~2か月継続されますと内視鏡の検査ではほぼ回復していきます。
検査をした医師が驚かれています。
胸焼けや食欲不振、便秘、下痢などの自覚症状の改善には3~6カ月を要することが多いです。
ピロリ菌除菌が失敗した人でも良くなっていきます。
病気の原因を考える時は、現状把握から悪化するイメージにするのではなく、健康な状態とは何か!という視点から考える事が必要なのではないでしょうか。