痛み止めという薬の作用機序は、発痛物質である「プロスタグランジン」の産生を抑えるというものです。
プロスタグランジンは打撲や傷、風邪などの感染症など、炎症がおこると発現する物質で、痛みを感じさせ脳や身体に危険を知らせるとともに、患部の血流を良くして回復を促進するために、また体温を高め酵素や免疫の活性を高めたり、雑菌やウィルス感染から身を守るために働く物質です。
つまり痛みは回復のために自らが起しているのですが、痛みそのものの苦痛に耐えられないため、痛みを和らげる薬が使われています。
打撲や傷、風邪の痛みとは異なる性質の痛みも沢山あります。
慢性的な頭痛や肩こり、腰痛、神経痛、筋肉痛、生理痛、胃痛、腹痛などは、痛みの感覚があらわれても発痛物質の痛みとは種類が異なります。
酸欠や栄養不足、老廃物の蓄積、細胞の再生や血行の不良、などが原因で感じる痛みです。
重い鈍痛、絞められるような痛み、突っ張る痛み、ズキンズキン痛む、刺されるような痛み、表現すると様々です。
慢性的な痛みに「痛み止め」を使うのは、仮に一時的に症状が軽くなったとしても、薬の働きを考えれば患部の血流を却って悪化させかねないといえます。
顕著な副作用例は「胃粘膜血流」ならびに「腎血流」の低下です。
薬によって胃が悪くなる事や腎臓病の危険性があるのです。
漢方では慢性的な痛みの原因は「瘀血(おけつ)」だと考えます。
血行不良の総称です。
「瘀血」にも種類があり、貧血や酸欠、冷え、疲労、ストレス、栄養不足などから「瘀血」に発展するのです。
それぞれ使う漢方薬も異なります。
原因と体調に最適な「瘀血」治療と、体力をサポートする漢方薬や栄養補給、十分な休息をとるなどライフスタイルでの工夫が、痛みの本質的回復には必要となるのです。
今日ご来店の76歳女性。
腰痛と踵のしびれ。
「補陽活血」、さらに「補陰血」の効能を持つ生薬製剤をお勧めしました。
1か月分の服用を終えた時点でのご来店。
3年間、様々な医療機関(病院から整体まで)にかかってもなかなか良くならなかった「踵のしびれ」がウソのように楽になったと驚き顔でご報告されました。
腰の痛みもそういえばあったっけ?という風で、僕がお尋ねして「そういえば痛かったわねぇ」という程度に、忘れてしまうぐらい良くなっていました。
体質やライフスタイルにもよりますので、全ての人が良くなるとは限りませんが、このようなご感想をいただけてとてもうれしかったです。
今日ご来店の68代女性。
7月より膝痛の治療中。
関節の滋養をご提案して以来、欠かさず服用を継続されています。
コレステロールも高いということで、10月よりはご主人様の糖尿病治療に用いている酵母製品も併用。
このところ、膝の痛みがとても軽くなって、痛いのを忘れるようになってきたとのこと。
正座ができるほど、曲げ伸ばしができるようになるのが目標とのことで、これからも継続されるとのことです。
ちなみに、ご主人様の血糖値も下がり、HbA1cも5%代前半となり、病院で処方されているお薬の量が減ったのだとか!
お二人の体調が日ごとに良くなっているご様子で、とてもうれしくなりました!
よくなると患者様はみなさまニコニコされています。
よくなるように一生懸命だし、食事やライフスタイルも変わってきたようです。
意識が変われば、ご自身の力できっと病気を克服できるでしょう。
各々の人に最適な方法がきっとあるはずです。
これからも一緒に考えていければ幸いです。
漢方たなうぇぶ>GOブログ>痛みの多くは 「痛み止め」では治せない