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花粉症 飛散量が少ないのにひどくなるのはなぜ?

今年は例年より花粉飛散量が少ないと予想されており、毎年悩まされている方にとってはうれしいお知らせです。
しかし飛散量が少ないと予想された年であっても「今年初めて花粉症になった!」という人がいますし、本格的な飛散シーズンが到来すると毎年と同じような症状に悩まされてしまう人が多いのも現実です。
つまり花粉の量だけが問題ではないのです。
実は僕自身もアレルギー体質で花粉症に悩まされていました。
20代の後半に悪化してからしばらくは花粉の多い年でも少ない年でも関係無く毎年症状がでていました。
しかしここ数年、治療と日々の予防と養生の甲斐があってか段々と楽になってきています。
今年の状態がどうなるのかは未知数ですが、このペースで僕自身は現在行っている予防法をつらぬいていこうと思います。
花粉症の時期をより軽く過ごすためのポイントは「自分の体の側のコンディションにある」というのが私の考えです。
ここ数年の患者様の相談経験からも理論は確信に変わっています。
私達が生活しているこの空気中には、目には見えない微細なものが沢山浮遊しています。
知らずの内に呼吸の際に大量の微細なものが肺に、また上気道や口腔の粘膜に、否応なしに入ってくるのです。
ここではその微細な物を以下「異物」といいます。
先進国にアレルギーが多い事から、アレルギーの原因は豊かさに伴い「異物」の量が急増し、私達の体に負担をかけている事が根本的な原因であるという考えに、私は到達しました。
よく考えれば至極当然の事なのですが。
皆さんも今一度、よくお考え下さい。
豊かさにともない、国民一人当たりが所有する物質量が飛躍的に増えています。
まずは衣類から。
みなさん下着や靴下、レギンス、タイツ、ストッキングなどは何着お持ちですか?
Tシャツやタンクトップ、キャミソールなどのインナーは何着お持ちですか?
シャツやニット、カットソー、トレーナーなどトップスは何着お持ちですか?
コート、ジャケット、ブルゾンなどなど、アウターは何着お持ちですか?
パンツやスカートなど何着お持ちですか?
バック、帽子、アクセサリーなどどれぐらいお持ちですか?
そもそも繊維というのは、植物の繊維や動物の毛から糸を紡ぎ作られます。
天然素材の繊維や毛は目には見えないレベルでみると、魚のうろこのように傷めばはがれおちるような構造をしています。
私達の髪の毛が傷むとキューティクルがはがれるのと同じです。
シャンプーのコマーシャルで、毛髪の顕微鏡写真を見た事はある方はイメージができるでしょう。
目に見えない、切れ毛が空気中を漂っているとイメージしてください。
数年前にとあるアパレルブランドの圧縮ウールのアウターを一目惚れして購入しました。
その時に店員さんが、「このアウターはとっても暖かいので、中にはTシャツ一枚でも冬を越せますよ!」と言うんです。
こんなに薄くて軽いアウターでまさか!と思いきや、その年は本当に薄手のインナーを着るだけでも暖かくて重宝しました。
気に入ったアウターだったので、冬が終わったらクリーニング店に出して、翌年もヘビーローテで着まくり、また翌年も懲りずに、と数年たった今、このアウターを着てもとても寒い上に、なんとなく生地が薄くなってきているではありませんか!
当たり前なのに、僕はその当たり前の事をよく考えた事がなかったのです。
生地は使い減りするのです。
ごくごく自然に。
それが気づかぬ内に空気中に漂っているのです。
私の自宅はフローリングなのですが、掃除機をかけて拭き掃除をしても、翌日には埃っぽくなってしまいます。
いったい「ホコリ」はどこから飛んでくるんだ!訳わかんない!
というのが今までの僕。
気づいてしまえば当たり前のことですが、ソファーやじゅうたん、洋服、カーテン、などなど私達の身の回りには、ありとあらゆる紡績製品に囲まれており、そこから落ちた繊維が目に見えるまでに絡みまとまったものが「ホコリ」の正体なのです。
僕に説明されなくても知ってるよ!という人は多いでしょうが、それが私達の体に負担をかけているとまでは、つきつめてお考えになった事はありますか?
その「異物」の量は、この日本という国が豊かになるにつれ格段に増えています。
気密性の高い居住空間に、コンクリートやアスファルトに囲まれた舗装環境では「ホコリ」は土に吸収されず、ふたたび舞い上がりやすくなります。
都会には人が多く集まり、そうすれば必然的にありとあらゆる物量が多くなります。
「異物」の自然増に対応しきれない肉体の人がアレルギーになる。
だからアレルギーが増える事があっても減る事はないでしょう。
それが私の考えです。
はがれおちた微細な繊維は、私達の肉体にとっては「異物」です。
日々、気づかぬ内に吸いこんでいる量はきっとものすごい量でしょう。
繊維だけではありません。
「異物」には様々なものがあります。
車の排気ガスから出る物。
建築用材から出る物。
工業的に出る物。
これらはきっと膨大な量であると思います。
なんどもくどいようですが、
近代国家になればなるほど、国民が国が裕福になればなるほど、「異物」の類は急増します。
人口密度が高い地域になればなるほど、「異物」の類は急増します。
放射能でもホットスポットがあるように、吹きだまりになるような地域の場合は「異物」の類が多いでしょう。
私達の体ではこの「異物」を処理しています。
肺には「大食細胞」と呼ばれる「肺胞マクロファージ」が存在し、呼吸によって肺に侵入した「異物」を一生懸命に取り込んで食べて消化しています。
身体の粘膜から侵入した異物も、免疫細胞が一生懸命に処理をしています。
花粉の飛散するシーズンではなくても、
現代に生きる私達の体は日々基本的に処理をしている「異物」の量が増えているのではないでしょうか。
だから「花粉」が異常に増えるシーズンになると、肉体が処理できる「異物」の量が限界に達してしまうのです。
限界に達すると次に私達の肉体はどのように反応するかというと、洗い流したり、侵入しないように上気道を塞ぐ、という力技にでるのです。
それがアレルギー反応性の免疫です。
食べて「異物」を処理している免疫細胞の応援要請を受けて働くのが「アレルギー性免疫」なのです。
掃除をして、マスクをして、空気清浄器を使って、空気中の「異物」を減らす努力は決して無駄ではありません。積極的に取り入れてください!
しかし、それでも「異物」は入ってくるのです。
体内での「異物」処理は、エネルギーが充実しているほど効率よく行われます。
疲労やストレスがたまった状態、体や心が無理をしている状態では、「異物」処理の能力は格段に低下してしまいます。
忙しい人、頑張っている人、我慢をしている人、病気で体力が落ちている人、老若男女問わず「異物処理」の能力を高めるためにできる事があります。
病院で「アレルギー」のお薬をもらっている人へ。
薬では「異物処理」の能力を上げる事は一切していません。
実はむしろ、アレルギー性の免疫力を薬の力で強制的に抑え込んでいます。
症状を軽くする事をしてはいても、肉体の負担が本当になくなっているわけではありません。
遅らせた「異物処理」のツケは、私達の肉体に後々かかってきます。
「肺」に「異物」が蓄積したら大変です。
ツケを先に回すような、症状だけを抑える治療で良しとせず、肉体のコンディションを高める「漢方」や「栄養療法」を真剣に考えてください。
抗アレルギー薬を服用している人でも、漢方薬やサプリメントを積極的に併用すべきだと私は考えています。
私はおかげさまで漢方薬とサプリメントを使う事で花粉症の辛い季節を乗り切っています。
そんな自己体験をもとに、その方法論を実践し考え抜いて現在に至りますので、お気軽にご相談ください。
余談ですが「オーガニック繊維」ならアレルギーにならないのか、というご質問を受けることがあります。
皆様の嗜好でお買い求めくださいとしか言えませんが、ことアレルギーに関しては一時的な事が原因ではなく、日々体に否応なしに入ってくる「異物」が根本的な原因だと考える私なりにお答えするならば、オーガニックであろうとなかろうと、繊維自体が「異物」となるという事でございます。
化学物質に反応する急性のアレルギーに関しては「異物」だけの問題では考えられませんのであしからず。