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幻の麝香&牛黄

昨夜は日本古来より使われてきた高貴な動物生薬につての勉強会に参加し、実際に最高の生薬を見せていただいた。
私も今までこれほどに立派な麝香や牛黄を見たのは始めてだったので感動しました。
実際に香りも嗅いできました。
東大寺正倉院には中国・インド・ペルシャなどから伝来した宝物が収蔵されていましすが、その中に当時から使われていた貴重な生薬が40点収蔵されていたそうです。
その中に麝香も牛黄も収蔵されていたのです。
麝香はジャコウジカの雄のジャコウ嚢、または嚢中の分泌物を乾燥したもので、古来より「気」の巡り改善し、病を防ぐ高貴薬として用いられてきた動物生薬です。
交感神経の負担の大きいIT関連のお仕事をされているかたなどは、「気」の巡りがものすごく悪くなっていることでしょう。
毎日満員電車で通勤しているかたなど、日々精神的な負担の大きい方なども「気」の巡りがものすごく悪いでしょう。
不眠不休でお仕事や家事などををされているかたなども、過労により体の負担著しく、「気」の巡りはかなり悪くなっているでしょう。
現代のストレス社会にとって、日頃から常用できるのならば「麝香」ほどに有用な生薬はないかもしれません。
現在、生薬としての輸入取引はワシントン条約で禁止されておりますので、麝香の入っているお薬としてでしか取引が認められておらず、動物生薬を主原料にしている生薬製剤を専門に作っている製薬メーカーの在庫が無くなってしまうと、今後使えなくなってしまうという事になります。人の体にこれほどに有用な生薬は他にはありませんので、自然医学でつかう範疇ではどうか使用を認めてもらいたいものです。
香料としてシャネルのNo.5に使われているそうです。現在の詳しいことは私も良く分かりません。
牛黄は牛の胆嚢にできた胆石のことですが、どの牛にもあるわけはなく天然の牛黄は1000頭1個とも10000頭に1個ともいわれており、その希少性と生薬としてのすばらしい効き目と相まって、牛黄は高貴薬の中でも特別な存在、ゴールドよりも価値があるとさえいわれております。
動物由来の生薬に関しては麝香と同様、ワシントン条約の規制をうけており、生薬としての取引には麝香と同様の拘束がございます。
その効果は様々も、麝香を気の薬というのに対し、牛黄は血の薬とも言われています。
中国の薬草書「神農本草経」には、「驚癇寒熱 熱盛狂痙」とあり、驚き卒倒したり、高熱で痙攣したり、精神異常をおこしたり、といった方に効果があるとされています。
また中国の「名医別録」という医学書には、「小児の百病、諸癇熱で口の開かぬもの、大人の狂癲を療ず。」とあり、「久しく服用すれば、身を軽くし、天年を増し、人をして忘れざらしめる。」とあります。
麝香と同様に、そのすばらしい働きは、現代人の精神的にも肉体的にも無理の多い環境にとって、もっと使えるといいだろうなぁ、と最も感じる生薬です。
東大寺二月堂で行われる荒行「お水取り」で体調を崩した練行衆に治療薬として認められている生薬は、「麝香」と「牛黄」の二つの生薬のみとされています。
「麝香・牛黄」製剤は、それほどに効果の高い生薬であり、正倉院に収蔵されているほどの歴史もあってか、修行という神聖な場でも認められているものなのですね。
現代の生活環境は思いのほかに苛酷であると私は感じています。
ストレスと過労から体調を崩すことは、まさに修行と同じではないでしょうか。
これから「麝香」や「牛黄」が必要となるような体調の方がますます増えるのではないかと考えております。

麝香

牛黄

category:
生薬のお話
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