便秘には段階があります。
その事に気がついたのは大便の内容成分にヒントがあります。
大便成分は食べた物が由来するゴミのようなイメージが浮かぶと思いますが、実際は消化管粘膜から剥がれ落ちてきた垢が大部分を占めます。
新陳代謝が活発な腸の粘膜細胞の寿命は四日間ほどなので、かなりの垢が出てくるのです。
実際に赤ちゃんや小児は、体に似つかわないほど大きな大便をしますが、それだけ新陳代謝が良いという証しなのです。
しかし赤ちゃんや小児にも異変が起こり始めています。
便秘がちなお子さんが増えているからです。
高齢者の便秘が多いのはまさに新陳代謝が落ちたからに因ります。
つまり内臓の垢として出るものが減ると、便が出にくくなるのです。
　
女性に便秘が多いことに着目して今回はお話を進めます。
現代の多様化した生活は、豊かさと便利さの半面、女性の体に無理を強いています。
食べて眠り排泄をして、月経等の女性特有の生理機能を営むだけではなく、仕事や趣味、遊び、人との関わり、妊娠、出産、授乳、育児、家事、介護、日々のストレスなど、大変な状況を乗り切るために、体の中ではなんとかエネルギーのやりくりをしています。
人によっては便として出すのも勿体ないぐらい、物質的に消耗している場合があります。
そのような危機的な状況におちいると細胞内自己消化という機能が発動し、垢として老廃物になるはずだった細胞をも栄養としてリサイクルしてしまいます。
まさに便秘は体に無理がかかっている注意信号といえます。
各々の段階に応じた方法を用いることが必要で、その見極めは容易くありません。
下剤だけに頼っていては、逆に体に負担をかけることもあることを知り、体力が消耗したタイプの便秘には滋養することが必要です。
漢方の知恵を上手に取り入れて、便通をよくしてみませんか？
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