体に合った漢方薬を選ぶという事は思いのほかに難しい。
しかし、「これに効く」的に市販薬の製薬会社が各社こぞって、
漢方処方をお手軽なパッケージングで発売しはじめている。
実際に入っているのは漢方処方なのに、
ダイエット用薬などはネーミングも各社工夫をこらして販売しているため、
知らないうちに漢方薬を飲んでいる、なんてケースもある。
漢方薬がポピュラーになっていくこと自体がいやなのではなく、
心配だなぁ・・・と思うことが多くなってきた。
というのも、
漢方はすぐに効かないけれど副作用もないから長く飲んでも安心！
という単純なイメージが先行してしまい、
自己判断で選んだ薬が、
症状と体に合ったものではないのにも関わらず、
漫然と継続しかねないからです。
皮膚病の薬や風邪の薬などでは特に注意が必要で、
漢方には漢方の判断基準があり、
診たて方があり、
パッケージに書いている内容だけで、
安易に判断して服用するにはリスクが大きすぎます。
病気には軽重浅深があるし、
長期なのか短期なのかという時間的な経過をみることも必要だし、
それによって刻々と体の状態は変化していくわけですから、
必要なお薬も変わる可能性があるのです。
つまり、
薬を選ぶには体の事（状態）を把握しないといけないという事になるのです。
パッケージに書いてある内容だけでは、
判断するのが困難な事がとても多いわけです。
漢方の良さが浸透してきて、
試してみたいという人が増えてきていることは
とてもいいこだと思います。
しかし、
安易に自己判断でてを出して、
それで具合でも悪くして、
漢方薬のイメージが悪くなってしまうとしたら、
私はちょっと残念です。
自然のものであっても、
やはりお薬ですから、
適材適所にお薬を使っていただきたいのです。
そうすれば、
体を助けてくれるとってもいいものであると、
私自身が実感しています。
漢方の勉強をしはじめてまだ７〜８年ですが、
このごろ少しずつその奥深さを感じられるようになってきましたが、
まだまだ浅学です。
自分が体調を崩した時は、
全ての対策を漢方薬の治療に頼ってきました。
日頃体調を崩さないように、
よいからだの状態にするためにも、
漢方が大切にしてきた自然観などを参考にしています。
そんな私が今まで経験をしてきて分かったことは、
その時、その時に、症状と体に合った漢方薬を選ぶことほどに
難しいことはないということです。
漢方も各社がこぞって製品化し、
それが進んでくると、
漢方薬を目にする機会が何かと増えてくると思います。
しかし、
それを誰に選んでもらうか！
どれだけ腕のある人に選んでもらうか！
という事の方が大切かもしれません。
自分で選んでみたいという人も、
飲んで具合が悪くなったとしたらそれは、
薬の副作用なのではなく、
薬の選択ミスなのだという事を知っていただきたいのです。
漢方薬というのは「手段」にすぎません。
どの方法を使って、
体に現れている不快な症状を楽にするかの方法論の方が大切なのです。
間違えて使わなければ、
漢方薬ほど安全なお薬はないのです。
これがなかなかご理解いただけない
ところでもあります・・・。
今日も最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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